劉震雲著 長江文芸出版社 2007年11月
主人公の劉躍進は北京のビル建設現場にある食堂のコックだ。
妻はバイト先の偽酒工場のオーナーと出来ちゃって6年前に家を出ていった。
息子は高校を中退して、頭空っぽのギャルと同棲中、楽してお金をもうけることに夢中。
だから、劉躍進は男ばかりの建設現場で寂しい一人暮らし、日常生活はいつも空回り。
いらいらしていてつい深酒をする。酔って人にからんで事件を引き起こして、どんどん借金が増えていく。
ある日、劉は自分のかばんをすられた。
大変! だってカバンの中には、離婚したときに妻に「慰謝料6万元払います」と書かせたメモ書きがあったから。
かばんを取り返すために地元のスリ団やゴロツキの後をつけ回すようになる。
ところが、そんなことをやっている内に今度は別の女物のカバンを偶然拾ってしまう。
その中には某大物政治家が汚職まみれのエロジジイであることが証明できる画像が記録されたメモリーカードが入っていたからさあ大変!
それを取り戻すために今度は政治家本人、秘書、土建屋、私立探偵、ヤクザいろいろな連中が劉を追いかけ回すことになる。
田舎出身の汚いおじさんが、一つの物をめぐってなぐりあったり、ののしりあう、という展開は
一昨年大ヒットした映画『クレージーストーン疯狂的石头』に似ていると思った。
とにかく主人公がお馬鹿なダメ男、おもわず「頑張れよ」と応援してやりたくなる。
上は政治家から下はヤクザやフリーターまで金のためには何だってやる、、法も秩序も愛もないのが今の中国なんだろう。
金の切れ目が縁の切れ目、金がない男はダメ男、一緒にいる価値がないからさっさと別れる。
それじゃあ、金持ちになれば幸せになるかというとそうでもない、体は太るが心はどんどんやせ細っていく、
ある人はうつ病になり、ある人は友人に裏切られて莫大な負債をかかえる。
無秩序な都市社会の底辺でたくましく生きる庶民の本音が、独特のブラックユーモアたっぷりの文体で書かれている。
ただし、今の問題だらけな混沌とした中国社会の有様を、「世の中ってのはこんなもんだ」「しょせん人間なんてこんな感じ」って感じで
すごく醒めたまなざしてとらえている作者の姿勢がいささか気になった。
作者は1958年河南出身の北京大学卒、今の世の中に大いに違和感を覚えている世代の一人だろう。
とはいっても、現在よりさらに幸せだった時代を体験している訳でもない。
現世の無常に対して達観したような 姿勢をとるのか彼にとっての精一杯の「自尊心」であり「世間への反抗」なのだろう。
どこの国でもおじさん達の心は屈折しているのだ。
かなりわかりやすい文章で書かれているので中国語の学習教材としては適していると思う。
ただし、読みながら思わず笑っちゃうことがあったので、毎日副都心線の中で少しずつ読むには適さないストーリーでした。
本はめんどくさくて読まないから、映画でみてみようと検索しても、じぇんじぇんでてこない・・・・。
しほり様
そう?映画化されたと聞いていたけれど。
ただし映画はむさくるしいおっさんばかり登場して華がなくて面白くないそうです。
いま日本ではレッドクリフが上映されているよ。こちらは金城武とかイケメンがいろいろ出ているみたい。
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